基礎体温計のウェアラブルデバイス
基礎体温はとても重要なのは理解していますが、忙しい日常生活の中で「測定忘れ」が出てしまうという方も多いと思います。特に妊活中ではない方や基礎体温を測定し始めて間もない方にとっては忘れてしまう方も多いのではないかと思います。
基礎体温の測定方法
まずは一般的な基礎体温の測定方法をまとめておきましょう。
1. 基礎体温計の準備
通常の体温計ではなく、0.01℃単位で計測できる基礎体温専用の体温計を使います。この温度計は、わずかな体温変化も正確に測定できるように設計されています。
2. 測定タイミング
基礎体温は、朝目覚めてすぐに測定します。起き上がらずにベッドの中で、体を動かさない状態で測定するのがポイントです。
前日の夜の睡眠時間が6時間以上で、測定直前に運動や食事をしていない状態が理想的です。
3. 測定方法
基礎体温計を舌の下に差し込み、口を閉じて測定します。測定部位は毎回同じ位置(舌の裏)で行うことが重要です。
測定が完了したら温度計の値を記録します。
4. 毎日の記録
基礎体温は毎日記録し、グラフ化して変動を追跡します。手書きで記録してもよいですが、スマートフォンアプリを使うと、自動でグラフが作成されるため便利です。
基礎体温は月経周期によってわずかに変動し、排卵前は低温期、排卵後は高温期になります。この変動パターンをつかむことで、排卵日や月経開始の予測が可能になります。
5. 測定の注意点
測定はできるだけ同じ時間に行うようにしましょう。大きな時間のズレがあると、体温が変動しやすいため、正確なデータが取れなくなります。
体調が悪い日や睡眠が短かった日など、通常と異なる日にはメモを残しておくと、データの分析がしやすくなります。
基礎体温の測定用デバイス
基礎体温計の代わりになるような測定デバイスを用いることで手間を減らすことができます。
Oura Ring(オーラリング)
指輪型のウェアラブルデバイスで、主に睡眠の質を計測するデバイスですが、基礎体温も測定可能です。夜間装着して眠るだけで、朝の体温データを自動で記録し、アプリで基礎体温の変動を確認できます。妊活中の方や月経サイクルの管理にも活用されています。
Oura Ringでは2021年4月、カリフォルニア大学サンディエゴ校との研究において、妊娠の主要なパターンを明らかにするのに役立つかどうかを確認するための研究を発表しましています。研究結果ではOuraの温度データは、妊娠初期のプロゲステロンの既知の上昇と一致して、受胎前後の温度上昇のパターンを見つけることができたとされていて、妊娠初期の検出のための実行可能なツールである可能性があることを示しています。
Ava Bracelet(アバブレスレット)
手首に装着するブレスレット型のデバイスで、基礎体温だけでなく、心拍や呼吸、睡眠パターンも測定します。これにより、排卵日を予測するなど、妊活や健康管理に役立つ情報が得られます。夜間に装着するだけで自動でデータを記録するため、手軽に利用できます。
また睡眠中に Ava ブレスレットによって手首の皮膚温度を継続的に測定することは、排卵の検出において基礎体温 (BBT) よりも正確かどうかを研究した成果が出ていて、手首の皮膚温度は排卵の検出においてBBTよりも敏感であることが示されています。医学的な論文でも裏付けがあるデバイスです。
Tempdrop(テンプドロップ)
上腕に装着するデバイスで、特に基礎体温の測定に特化しています。就寝中に基礎体温を継続的にモニタリングし、翌朝アプリでデータを確認できます。基礎体温の変動が分かりやすく、日々の手動測定が難しい方にも向いています。
上腕の内側の高い位置に装着されたセンサーは、腋窩の読み取り値をキャプチャするため、表面の皮膚温度よりも正確です。
VitThermo(ビットサーモ)
※VitThermoは基礎体温の測定用デバイスではありません。
株式会社スキノスの「VitThermo」はカナル型イヤホンセンサーを採用しており、耳内に装着することで鼓膜から発せられる赤外線量を測定し、体の中心温度(コア体温、深部体温)を連続的に推定します。測定データはスマートフォンを用いて記録でき、CSVファイルとして保存可能です。
ただし、本製品は研究目的のため、医療用としての使用はできませんので、これからのデバイスとして期待が高まります。