生理が重い…どのタイミングで受診した方が良い?
月経痛・PMSに対してどうしているのか
PMSや生理痛に悩む女性は多いが、「受診すべきタイミング」が分からない方も多いのではないでしょうか?
月経痛・PMSに対して行う対処法について調べたデータでは、「特に何もしない」が全体で4割を超えています。
最も実施される対処法は「市販薬の服用」ですが、逆に「産婦人科の受診」は低く、「かなりひどい」でも受診する割合は25%、「ひどい」「我慢できる」では受診割合は1割に届きませんでした。
まず知っておきたい!PMSと生理痛の正常範囲とは?
「生理痛がつらいけれど、これって普通なの?」「PMSの症状があるけど、受診すべき?」と感じることはありませんか?
PMSや生理痛は多くの女性が経験するものですが、その正常範囲を知ることは、自分の体を大切にする第一歩です。この項目では、PMSと生理痛の基礎知識と正常範囲をわかりやすく解説します。
PMSとは?正常範囲の症状は?
PMSの基本
PMS(Premenstrual Syndrome)は、月経前のホルモン変化によって起こる身体的・精神的な症状の総称です。月経開始の1~2週間前に始まり、月経が始まると軽減または消失します。
正常範囲のPMSの症状
- 身体的症状
- 軽いむくみ
- 胸の張りや痛み
- 頭痛
- 精神的症状
- 軽度のイライラや不安
- 集中力の低下
- 眠気や疲れ
異常の可能性があるPMSの症状
- 感情が制御できないほどのイライラや怒り
- 抑うつ感が強く、日常生活に支障をきたす
- 身体的症状が重すぎて動けない
※ 異常な場合、PMDD(Premenstrual Dysphoric Disorder)という重度の症状である可能性があります。
生理痛とは?正常範囲の症状は?
生理痛の基本
生理痛は、子宮が月経血を排出するために収縮する際に起こる痛みです。この収縮を促す物質「プロスタグランジン」の分泌量が多いほど、痛みが強くなります。
正常範囲の生理痛の特徴
- 下腹部に軽い鈍痛
- 腰や背中に違和感がある程度
- 痛み止めを飲むと改善する
- 痛みが1~2日程度で治まる
異常の可能性がある生理痛の特徴
- 鎮痛剤を飲んでも効果がない
- 痛みが数日以上続く
- 排便時や性交時にも強い痛みを感じる
- 生理のたびに悪化している
※ 異常な場合、子宮内膜症や子宮筋腫などの疾患が隠れている可能性があります。
症状が正常範囲内かどうかを見極めるには?
簡単セルフチェック
- 痛みや症状が日常生活に支障をきたしていないか?
- 鎮痛薬やセルフケアで改善するか?
- 症状が急激に悪化していないか?
これらに当てはまらない場合は、受診を検討する必要があります。
日常の記録をつける
PMSや生理痛の症状を日記やアプリで記録しておくと、正常範囲かどうかを判断する助けになります。特に「いつもと違う」と感じたら、婦人科での相談がおすすめです。
受診のタイミングが必要なケース
症状が日常生活に支障をきたしている場合
生理痛やPMSの症状が強すぎて、次のような状態になる場合は受診を検討してください:
- 仕事や学校を休まなければならない
- 家事や育児が手につかないほど動けない
- 強い痛みで夜眠れない
これらの症状は、子宮内膜症や子宮筋腫といった病気が隠れている可能性があります。放置すると症状が悪化し、治療が難しくなることもあります。
市販薬が効かない場合
市販の鎮痛剤やPMS改善薬を使用しても、以下のような状態が続く場合は婦人科での相談をおすすめします:
- 薬を飲んでも痛みが変わらない
- 何度も薬を追加で服用しないと動けない
- 痛みが服薬後すぐに戻ってくる
市販薬でコントロールできない痛みは、正常な生理痛の範囲を超えている可能性があります。適切な治療を受けることで、症状を和らげる選択肢が広がります。
症状が急激に悪化した場合
普段と違う症状や急激な変化が見られる場合も、早めの受診が必要です:
- 突然激しい痛みが起きた
- 出血量が明らかに多い、または長期間続く
- 下腹部にしこりを感じる
これらの症状は、子宮外妊娠、骨盤内炎症性疾患(PID)、卵巣嚢腫破裂など、緊急性の高い病気が原因である場合があります。放置すると命に関わることもあるため、早急に医師の診察を受けてください。
他の症状が併発している場合
生理痛やPMSに加えて、次のような症状がある場合も要注意です:
- 吐き気や嘔吐、強い貧血症状
- 性交時や排便時に痛みを感じる
- 不正出血がある
これらの症状は、ホルモンバランスの異常や子宮関連疾患の兆候であることが考えられます。特に不正出血は、子宮頸がんや子宮体がんの初期症状である場合もあるため、放置せずに診察を受けましょう。
PMS・月経痛が気になったらすぐに受診を検討
生理痛やPMSの症状が軽い場合はセルフケアで対応できますが、強い痛みや異常を感じたら、早めに婦人科を受診することが大切です。自分の体を守るためには、「異常」と感じたときに迷わず医療の力を借りることが必要です。一歩踏み出して、より快適な毎日を取り戻しましょう。