中高年女性の腹圧性尿失禁：知っておきたい基礎知識

腹圧性尿失禁とは

特徴

腹圧性尿失禁とは、咳やくしゃみ、大笑い、重い物を持ち上げるなど、お腹に力がかかった際に意図せず尿が漏れてしまう状態を指します。これは特に中高年女性に多く見られる症状で、骨盤底筋群の衰えや尿道の支えが弱まることが主な原因です。
この症状は、少量の尿が漏れる軽度なケースから、日常生活に支障をきたすほど頻繁に起こる重度のケースまで、幅広い程度があります。

中高年女性に多く見られる症状です。日本泌尿器科学会によれば、40歳以上の女性の4割以上が尿失禁を経験しており、その中でも腹圧性尿失禁は最も一般的なタイプとされています。

40代女性の約30%が尿失禁を抱えていると報告も出ているので、「恥ずかしい」ことではありません。恥ずかしさや情報不足から適切な治療を受けていないケースも多いとされています。そのため、正しい知識を持ち、早期に対策を講じることが重要ですね！

misoko

よくある症状と日常生活への影響

• 症状:
  • 笑ったりくしゃみをした際に尿が漏れる
  • ジャンプやランニングなど運動中の尿漏れ
  • 重いものを持ち上げたときの尿漏れ
• 生活への影響:
  • おしゃれを楽しむのをためらう
  • 外出や運動が億劫になる
  • 心理的負担から自信喪失やストレスを感じる
  • 尿取りパッドなどの使用による経済的負担

中高年女性に多い理由

加齢による筋力低下

年齢を重ねると、筋肉全体の機能が低下します。特に骨盤底筋群は、膀胱や尿道を支える重要な役割を果たしますが、筋力が衰えることで尿道がしっかり閉じなくなり、腹圧性尿失禁を引き起こします。

出産や閉経の影響

• 出産の影響:
  妊娠や分娩時に骨盤底筋が大きな負担を受けるため、出産経験が多い女性ほどリスクが高まる傾向があります。自然分娩や大きな赤ちゃんを出産した場合は特に影響が大きいとされています。
• 閉経の影響:
  閉経に伴い女性ホルモン（エストロゲン）の分泌が減少します。これにより、膀胱や尿道の粘膜が薄くなり、筋肉の弾力性が低下することで尿漏れが起こりやすくなります。

妊産婦を対象とした調査では、尿失禁を経験した者の54.5%が腹圧性尿失禁であったと報告されているみたいなので、妊娠や出産など体の変化が大きいときにケアを考えておくことが重要ね！

misoko

ライフスタイルや習慣が与える影響

• 運動不足や肥満は、骨盤底筋に余計な負荷をかける原因になります。
• 喫煙や便秘も、骨盤底筋の機能低下や尿漏れのリスクを高める要因となります。

腹圧性尿失禁を放置するとどうなる？

生活の質への影響

尿漏れの頻度が高まると、以下のような問題が生じることがあります：

• 外出を控えるようになり、活動範囲が狭まる
• 運動や趣味を諦めることで、健康状態がさらに悪化する
• 尿漏れを隠すための衣類やパッドの使用が増え、経済的・心理的負担が増す

心理的負担と社会的な孤立感

尿失禁は「恥ずかしい」「誰にも相談できない」というイメージが強く、問題を抱えたまま一人で悩む人も少なくありません。その結果：

• 自己肯定感が低下し、孤独感を感じやすくなる
• 周囲とのコミュニケーションが減り、社会的孤立を招く
• 心のストレスが原因で、さらに体調が悪化する可能性がある

まとめ

腹圧性尿失禁は、中高年女性の生活の質に大きな影響を与える問題ですが、早期の対策や適切なセルフケアで軽減・改善が可能です。次回は予防法や具体的なケア方法について詳しく解説します。自分の体を大切にし、快適な毎日を送る第一歩を一緒に踏み出しましょう！

misoko

ブロガー/フェムテックアドバイザー

夫・子・子と暮らす主婦
AIとフェムテックに魅せられて、これらについて調べていくうちに生活がより豊かになりました。生活にAIとフェムテックを取り入れることで多くの女性（＆男性）がよりハッピーになれることを発信しています。
医療系記事は薬剤師の監修のもとで記事を作成していますが、医療情報の誤りや表現等に誤解を招くものがございましたらご連絡を頂ければ幸いです。